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あかぎ児童遊園 / 2匹のゾウの滑り台 / 新宿区みどり土木部みどり公園課からの心あるお返事

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その地の特性を活かして、動物の溢れる公園を目指して。

  

 

あかぎ児童遊園 

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東京都新宿区赤城下町には、ものすごいオーラを放つ公園がある。それが「あかぎ児童遊園」だ。神楽坂駅から少し住宅街に入ったところにあり、なんと言っても2匹の像の造形をかたどった滑り台が目を引く。新宿区のホームページには「公園の高低差を生かして」という説明が書いてあるが、それだとどうにも納得がいかなったので、直接新宿区に問い合わせをしてみることにした。

 

新宿区みどり土木部みどり公園課へ問い合わせ

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新宿区ホームページの問い合わせフォームから「あかぎ児童遊園」に関する疑問を問い合わせてみた。こんなある種どうでもいい質問にどこまで答えてくれるものなのか半信半疑な部分もあったが、まぁまずはダメ元で聞いてみようと行動をしてみたのである。

するとどうだろう。問い合わせてから2週間ほどした時、一通の封筒が届いた。「新宿区みどり土木部みどり公園課」からだった。僕は、「うおーーー本当に来たーー!!」とテンションが上がった訳である。しっかりと気持ちが伝わる丁寧なお返事で、本当に感謝と尊敬の気持ちでいっぱいになった。

 

30新みみ管第358号 平成30年6月11日

新宿区みどり土木部 みどり公園課長

 

「あかぎ児童遊園」について

 

ご質問を拝見しましたので、下記のとおり回答します。

 

1 あかぎ児童遊園の歴史(昭和44年のこと)について

昭和44年のころの歴史については残念ながら詳細がわかりませんでした。平成5年から今の形になっています。

 

2 像の滑り台を作ろうと計画したきっかけ

当初公園は、低地部分のみの面積でしたが、公園に隣接していた民地を購入することによって、今の面積を確保することができました。しかし、公園内の高低差を解消することはできず高低差を生かした公園をつくろうということで、滑り台の案がでました。何故ゾウのデザインになったかは不明ですが、動物がいる公園だと楽しそうだなという思いがあったそうです。

 

3 ゾウの滑り台の設計者、デザイン者及びゾウの種類

ゾウの滑り台は、民間会社へ設計をお願いし特注でつくりました。そのため設計者等の詳細は不明で、ゾウも架空のものになります。

 

4 施工時の大変だったエピソード

公園の入口が狭かったため重機が入らず、作業に時間がかかったことが大変でしたが作業工程は他の公園施工時と変わりません。ゾウの滑り台は単管で骨組みをつくり、セメント等を付けていったそうです。

 

5 下の入り口から階段へ続く舗装は、ワニの形になっているとのことだが本当か

下の入り口から階段へ続く舗装もワニの形になっています。こちらについては何故ワニになったかはわかりませんでしたが、動物がいる公園にしたいとの思いでこのデザインになりました。

 

6 あかぎ児童遊園に開園閉園時間を設けた理由

住宅地に隣接しているため、夜間や早朝の騒音を防止する目的で設けました。

 

設計者は不明だが、「動物が溢れる公園にしたい」という思いが込められているようだ。

 

公園を散策 

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それではそんな思いの詰まったあかぎ児童遊園をゆっくりと散策していこう。

入り口は住宅地の中にふと現れる。家と家の間の細い通路なので見逃さないように気をつけたい。質問5でしたワニの背中は入り口から続いている。動物の世界はここから始まっている。

 

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入り口を抜けるとゾウの滑り台手前には砂場がある。網に囲まれ、涼しげな帽子を被っているが、砂場で遊ぼうとは少し思いづらい。

 

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やってきたゾウの滑り台。どうしようもできなかった高低差を滑り台にして解消したこと、デメリットをメリットに変える素晴らしさが詰まっていると感慨深い。間に立っている電柱も作業時は邪魔だっただろう。施工者方の苦労が見える。

 

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目は実に写実的。インドなどの仏教的な要素が含まれているような目。力強さがある。

 

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下から見たときの高低差を体感。ゾウの耳をよじ登ることができるのは子供達も楽しいだろう。

 

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上のゾウには牙がある。仮に2匹のゾウがアジアゾウをモチーフにしているのであれば、下がメスで上がオスなのかもしれない。

 

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上から。滑り台の始まり。結構な高低差なので上から見るとその急さがわかる。

 

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上から見た景色。カメ・ゾウ・キリンもいる。そして、ワニの背中がずっと続いていることがわかる。この公園の世界では、2匹のゾウではなく、巨大なワニが牛耳っている世界なのかもしれない。妄想は膨らむばかり、楽しい。

 

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滑ってみて、間で一回止まってしまった瞬間の絵。案外滑りはよくはないので、摩擦でズボンが擦れてしまった。滑る際はぜひ滑りやすい格好で。

 

その他の動物たち+α 

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上から見てわかったように他にも動物はいる。ゾウの滑り台より弱々しいゾウ君。

 

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首を休めるキリンさん。

 

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口を開けあくびをするカバさん。カメさんは撮り忘れてしまった。

 

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"おちゃらか"や"あんたがたどこさ"のイスもある。これは、あかぎ児童遊園だけでなく、他のいくつかの公園でもたまに見かけるイス。古き良きを忘れず伝えてってほしいという願いがあるのだろうか。

 

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質問6にもあったようにあかぎ児童遊園は開門時間があるので、行く際はご注意を。

所在地:東京都新宿区赤城下町21番地

アクセス:東京メトロ東西線神楽坂駅 徒歩5分、東京メトロ有楽町線江戸川橋駅 徒歩8分

開園時間:4月~10月 8時~18時、11月~3月 8時~17時

開園年月日/改造年度:昭和44年11月27日 / 平成4年度

面積:611.24m2

引用:あかぎ児童遊園:新宿区

 

普通の滑り台を作ってもよかっただろう、動物をメインにする必要もなかっただろう。けれど、高低差を生かして立派な2匹のゾウの滑り台をつくり、公園全体に動物が溢れる場所を作った。来る人を楽しませよう、子供達が笑って遊んでほしい、という設計者や施工者の心配りが見える公園、それがあかぎ児童遊園なのかもしれない。

 

ちなみに、新宿区から届いた封筒の裏に新宿区民憲章が書かれていたので、ついでに載せておこう。この憲章の元、1東京都民の疑問に答えてくれたのかもしれない。

[新宿区民憲章]

わたくしたちは、日本の首都東京の中心に生活する誇りと責任をもち、先人の築いた歴史と文化を受け継ぎ、ともに生きともに集う、ともに考えともに創る、新時代の新宿を、明るく美しい理想的なまちにするため、この憲章を定めます。

●だれもが安心して住み続けられるまちにします。

●心のふれあう おもいやりのある福祉を考え実行します。

●安全で健康な みどり豊かなまちをつくります。

●ともに学び はたらき いきがいのもてるせいかつを実現します。

●すばらしいまち新宿を 次の世代に引き継ぎます。

4番目あたりが当てはまるかな。

みどり公園課のみなさん、お返事ありがとうございます。本当に感動しました。またぜひ質問させてください。

 

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*参考/引用、インタビュー

あかぎ児童遊園:新宿区

みどり土木部-みどり公園課:新宿区

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