伝わるものと伝わらないものと 20
天を仰ぎたくなる。
大きな態度をしている割に、その国の中には様々な人がいるはずなのに、
自分の傲慢を認めず、リーダーとしての立場に目を瞑り
大事な時、みんなが危機の時は、
自分から声を出さず、殻に籠もり、自分の責任にはならないようにする
はぁ、
もう天を仰ぎたくなる気持ち。
今、この国がずっと見ないようにしていたツケが回ってきているのかもしれない。
僕ら一人一人がこの国の未来を諦めず、声を上げていく時なのだ。
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羽咋駅の擬音彫刻 "ジャーンにズズズにゴゴゴにドドド" / 横山光輝を愛する馬渕洋 / 擬音が現実世界にある錯覚
ジャーンで、ズズズで、ゴゴゴで、ドドドである。
擬音は石となり重く響き渡る
日本海に突き出た能登半島を有する石川県。どうしても石川県だと観光名所金沢を想起してしまうけれど、石川の中央部に少し変わった読み方の市がある。「羽咋市」、読み方は「はくいし」と読む。
羽咋の総人口は、2020年1月1日現在で21,314人と小さな地域ではあるが、海や緑に囲まれた自然豊かな環境がそこにある。その証明として、アウトドアブランド"mont-bell モンベル"が豊かな自然の中でアウトドアを楽しめる"フレンドエリア"という地域を全国で指定しており、羽咋市はその一つのフレンドタウンとして認定されている。日本で唯一自動車で砂浜を走行できる"千里浜なぎさドライブウェイ"や、地域の町おこしとして「UFOのまち」としても知られ、地域内に"コスモアイル羽咋"というNASAも情報提供をしている施設がある。(※コスモアイル羽咋は別途紹介します。)
そんな羽咋市の玄関口、羽咋駅周辺には、楽し気なモニュメントが置かれているので、今回はそんなお話。
ジャーン!の「!」
「ジャーン!」
それは漫画の表現で必ずと言っていいほど使われている擬音を用いたモニュメントだ。作成者は馬渕洋氏。羽咋駅周辺には馬渕氏の彫刻作品が5つあり、その内4つが擬音彫刻となる。設置は2005年3月、羽咋駅前と続く商店街の活性化やにぎわいを取り戻そうという考えのもと、羽咋駅前通り商店街事業協同組合により設置された。
それでは一つずつ見ていこう。
この作品名は「!」。意外にタイトルはジャーンではなかった。「!」は羽咋駅西口のロータリー前すぐにある。隣には、UFOのまちを象徴するようにUFO型のキラキラしたイルミネーション機材が置かれている。
「!」のおよその寸法は、高さ1メートル×横幅2.6メートル×奥行き1.1メートル×重さ5トンと、思っている以上に大きな存在。ジャーンの上には人が立つことができ、思い思いのポーズを取って写真撮影が可能だ。作品自体がメインになるのではなく、一緒に撮影をする人が主役になれるようにという馬渕氏の思いがつまっているという。
ズズズズズズズの「・・・・・・・」
続いて、「ズズズズズズズ」。
作品名は、「・・・・・・・」 。なんで・(点)が7つあるのか初めはわからなかった。この先を見ていけば何かわかるのかもしれない。「・・・・・・・」も「!」同様に、羽咋駅西口のロータリーにあり、ちょうど「!」の後ろ側に位置する。
ズが徐々に沈んでいく姿は、水の中や沼の中に落ちていくような沈んでいく感覚を想起させる。この後は、ゴボゴボゴボなどの音が聞こえてきそうだ。
ゴゴゴゴゴゴゴの「・・・・・・・」
3つ目は、「ゴゴゴゴゴゴゴ」。
作品名は「・・・・・・・」 。おや?ズズズズズズズと同じタイトルではないか。ここでもまだタイトルの意味はわからなかった。「・・・・・・・」は、羽咋駅前のロータリーを右手に行った、石川県道232号と長者川が交わる部分にある。
重く力強く響き渡るゴゴゴゴゴゴゴの文字。何かを引きずるような、何か大きな存在が近づいてくるような、そんな感覚と想像性を掻き立ててくる作品。
ドドドドドの「・・・・・」
4つ目は、「ドドドドド」。
作品名は「・・・・・」 。なるほど!もしかすると、このタイトルはシリーズになっていて、文字数が「・」の数に合わさっているのではないか?つまり、ズ、ゴ、ドが連続擬音のシリーズになっているのだ。「・・・・・」は、「・・・・・・・(ゴの方)」の奥で見つけることができる。
ドドドドドと地面が揺れるような激しさがある。そういった大地に根付いた擬音であるからこそ、横向きではなく縦向きに並んでいるのかもしれない。5つのドの下に、もう一つのドのような物が見えることから、大地の底のマントルぐらいまで鳴り響いているのだろう、なんて想像してみる。
「連」
最後の作品、タイトルは「連」。これまでの4つの擬音作品とは異なる表現方法。いったい何と連なっているのか、連続する何かがあるのか。ゴとドの後ろの方にひっそりといたこの作品は、擬音作品とか、今までの自分たちとかが、静かに続いていたことを教えてくれるようだった。
馬渕洋とは?
これら5作品の作者は、彫刻家の"馬渕洋(まぶちひろし)"氏。1969年生まれ、兵庫県明石市在住。1988年に金沢美大で彫刻を学び、キリンビール庭園彫刻コンクールでは大賞に、富山県で行われた「神通峡美術展」では大賞や優秀賞に輝いている。
また、数々の個展の実施やシンポジウムにも参加する他、兵庫県山口町の限界集落になるのを防ぐための"西宮船坂ビエンナーレ"や、近年では神戸市長田区にある団体"新長田アートコモンズ実行委員会"が主催する"下町芸術祭"に参加するなど、その活動は幅広い。
馬渕氏は、ガンダム、幻魔大戦、宇宙戦艦ヤマト、ウルトラシリーズ、勇者ライディーン、スターウォーズなど、ジオラマやプラモ、SFをこよなく愛する人でもある。特に三国志の横山光輝先生の大ファンであり、ファン有志で作られた団体「チームムム」にも所属していたり、ジオラマ作品の展示会を頻繁に行っているほどだ。そういったジオラマやプラモの感覚が、擬音作品の想起につながったのではないかと考えられる。
今見ている世界は現実か偽物か
実際に擬音彫刻が設置される経緯は以下のような流れだ。
馬渕氏は、ジャーンやゴゴゴゴゴゴゴの4作品の他に擬音作品を制作している。例えば、「エイエイオー」「ワハハハハ」「ガシィ!」「ウオオオオオ!!」「グサ」などがある。見る人が誰でもわかる「端的でわかりやすい作品」を追求した結果、こういった擬音作品が完成したという。
こういった作品を個展で展示していた馬渕氏は、個展作品を展示してくれる自治体を探していた。そのことを知った市文化財保護審議会長の板坂葵さん(羽咋市松ケ下町)が、協同組合役員に「商店街のにぎわい復活のきっかけになる」と呼び掛けた。板坂さんは彫刻家だった。その後、役員人は馬渕氏の作品を見学し、「意表を突くデザインで面白い。見ていて楽しい気分になる」と感じ、羽咋市での設置が決まった。
video: 羽咋駅へ行こう! - YouTube
擬音シリーズは、やはり漫画やアニメ好きの心をくすぐるようで、「ジョジョの奇妙な冒険」などのファンたちがこの地に訪れて、ジョジョ立ちなどの思い思いのポーズを撮影して帰っていくという。
今の世は写真をいくらでも加工できるから、撮影した写真にテキストを上から乗せて擬音を付けることだって容易い。けれど、馬渕氏の作品のように現実世界に擬音が存在し、人々が自らその擬音に合わせて何かしらのアクションを取れるというのはとてもおもしろい。紙面やデジタルの世界が現実に入り込んできたような感覚がある。
いや、逆にこの世界が偽物の世界だということだって言えそうだ。
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*引用・参考
・馬渕洋 | 下町芸術祭 Shitamachi Art Festival 2019
・下町芸術祭|Shitamachi Art Festival
・【終了】11月20日(日)まで<西宮船坂ビエンナーレ2016開催♪♪> - トピックス - 西宮流(にしのみやスタイル)
・モンベル | モンベルクラブ | フレンドタウン 羽咋市(はくいし)
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金沢まちなか彫刻 / 金沢市がパブリックアートに込めた想い / 「走れ!」&「やかん体、転倒する。」
街と作品が相互に絡み合う素晴らしさよ。
アートに力を入れる金沢市
石川県金沢市。2015年3月から東京ー金沢間の北陸新幹線開通も相まって、日本の人気観光地として発展し続けている。名所といえば、歴史ある"金沢城"や"兼六園"、古い街並みを堪能できる"ひがし茶屋街"、そして、日本海の幸を堪能できる"近江市場"など、見て・感じ・食べて・楽しめるモノコトが豊富に揃っている日本を代表する街である。
金沢市はアートにも力を入れており、その代表格は"21世紀美術館"だろう。21世紀美術館は、2004年10月にオープンし、レアンドロ・エルリッヒ「スイミング・プール」 、ジェームズ・タレル「ブルー・プラネット・スカイ」 、ヤン・ファーブル 「雲を測る男」など、建物と空間と作品がそれぞれに連動しながら、今でも人々に驚きや発見を与えている。また、日本伝統工芸の一つである「加賀友禅」を現代で感じられるワークショップや体験も盛んに行われ、歴史の中からのアートの理解も進んでいる。さらに、近年は様々なクリエイターが金沢を拠点として活動をしていたりと、今後よりいっそうアートの盛り上がりがあることだろう。
金沢市がパブリックアートに込めた想い
そんなアートを強く推している金沢市は、「まちにアートを感じ、魅力あふれる都市空間を創出する」ために、2000年以降パブリックアートに力を入れ始める。パブリックアートとは、公共的な空間に設置された芸術作品の意味で、公共空間の魅力を高めることを期待して設置されるものを指す。しかし、パブリックアートには以下のように様々な問題や課題があり、金沢市は頭を悩ませることになった。
金沢のパブリックアートが抱える課題
1, 「パブリックアートの全体像把握が困難」
金沢のパブリックアートは、大部分の作品が任意に設置されており、個々の設置コンセプトや全体像との関係が把握しにくい。
2, 「作品が中心市街地に集積設置されている現況」
金沢のまちの顔とも言うべき中心市街地において、総合的に検討されたエリアごとのコンセプトがなく、単に作品が集積設置されているという印象が強い。
3, 「環境や景観との不調和(空間的要因)」
作品は芸術として設置される故に移設や撤去が困難であるため、時代を経るごとに作品数が増え、環境や景観との不調和が生じている。
4, 「都市環境の変化や時代感覚にそぐわない状況(時間的要因)」
時代の進展に伴い、設置された作品が、都市のスケール感に合わなくなっている。また、区画整理事業の記念碑として設置された作品には、時代感覚に合わないものも見られる。
5, 「施設配置、スペースとの不調和(場所的要因)」
建物竣工記念作品の設置や寄贈作品など、施設の配置計画やスペースと調和がとれていない設置例も見られる。
6, 「市民に親しまれにくい作品の設置場所」
パブリックアートでありながら、市民に周知されていない作品がある。 作品が目につきにくい場所に設置されているため、作品の魅力が伝えられない場合がある。
7, 「彫刻作品の不十分な保守管理」
全般的に彫刻作品と周辺の保守管理が十分とは言えず、作品の劣化や汚れが懸念される。また、植栽の陰になり作品が見にくい場所もある。
それら問題点を解決するため、2005年4月、金沢まちなか彫刻設置委員会は「金沢まちなか彫刻設置基本方針」を市の基本方針に掲げ、活動を始めた。基本理念と基本方針を以下の通りである。
金沢まちなか彫刻設置の基本理念
「金沢のまちの魅力にアート(彫刻)のレイヤー(層)を重ね合わせる」
これまでの歴史の中で、時間をかけて形成され、培われてきた金沢の重層的な「まち」の魅力である「用水・みち筋」「こまちなみ」「斜面緑地」 「寺社風景」などに「彫刻=パブリックアート」という魅力を重ね合せる。また、金沢の個性を磨き高め、風格あるまちづくりと美しい景観形成に厚みを加えていく。
金沢まちなか彫刻設置基本方針
1. 環境にふさわしい彫刻作品の設置
2. 新設作品の設置のあり方
3. 既存作品の再構成のあり方
4. 彫刻のあるまちづくりの重点的な推進
5. 世界に開かれた公募参加方式の彫刻設置
6. 市民に親しまれる彫刻愛護の推進
金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション
そのようにパブリックアートに力を入れ始めた金沢市は一つの国際的なコンペティションを行った。それが「金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション(KANAZAWA MACHINAKA SCULPTURE COMPETITION、以降"KMSC")」であり、2004年と2006年に行われた。KMSCは、21世紀美術館のオープンや、金沢駅東広場の整備の完成に合わせて行われ、日本以外の国々からの作品も募集された。応募総数は約500弱。晴れてKMSCにて最優秀賞または優秀賞を取ると、賞金がもらえるだけでなく、金沢駅から21世紀美術館を結ぶメインストリート沿いに表彰彫刻作品が設置されるという、アーティストにとっては願ってもない特典が付く。審査員も金沢美術工芸大学と東京藝術大学の学長や、金沢21世紀美術館館長など、金沢市の本気度を感じる。2004年と2006年の2回以降実施しなくなってしまったKMSCではあるが、魅力ある街並みの形成と賑わいの創出に大いに貢献しただろう。
2006年審査員(五十音順・敬称略)
妹島 和世(建築家/SANAA代表)
平野 拓夫(金沢美術工芸大学 学長)
福田 繁雄(グラフィックデザイナー)
蓑 豊(金沢21世紀美術館 館長)
宮田 亮平(東京藝術大学 学長)
そこで今回は、2004年と2006年の最優秀賞の作品を紹介していく。
2004年最優秀賞:走れ! / 郡順治
KMSC 2004年の最優秀賞「走れ!」、作者は「郡順治」。香林坊街園の交差点部分に設置されている。
郡順治は、1968年生まれ、愛媛県松山市出身のブロンズ像作家である。金沢美術工芸大学大学院鋳金コースにてブロンズ芸術を学び、卒業後は銅器原型製作職人に師事した。高い技術と情緒あふれる感性にて作品を制作し、KMSCだけでなく高岡クラフトコンペなど多数の受賞歴がある。作品は、KMSCの「走れ!」、兵庫県シスメックス・テクノパークにある「走」、少女と小動物の憩いの瞬間を象った「愛」や「友」、国宝 菩薩半跏像などを縮小し再現した作品など、様々な作品がある。また、広島県広島市のマツダスタジアムにある彫像「広島カープ誕生物語」の原型作者としても知られている。現在は、故郷である松山にて工房を営みながら、作品を作り続けている。
そんな「走れ!」について金沢市は以下のように説明している。
既成概念を打ち破るような新しい価値観が、金沢から、どんどん生まれてくることを願い、力強く走り出そうとする様を形にし制作された作品である。未来に向かって躍動感あふれるダイナミズムな作品で、分かりやすく、明るく、親しみやすい。金沢21世紀美術館の開館にあわせ設置。
交差点の一角に顔のない足を広げた存在がそこにある。まるで重力を感じないように身軽に、今にも動き出しそうな表層をしている。新しいモノを作り、新しいコトをしていくには考えているだけでは進まない。走れ!ほど大きな一歩でなくていいから、少し前に進んでみることが大切だ。きっと一歩進むとさっきまでとは違う景色が見えてくるはずだ。
2006年最優秀賞:やかん体、転倒する。 / 三枝一将
KMSC 2006年の最優秀賞「やかん体、転倒する。」、作者は「三枝一将」。金沢駅東広場のバス停の近くに設置されている。
三枝一将は、1971年生まれ、神奈川県横浜市出身の彫刻作家である。東京芸術大学大学院美術研究科鋳金専攻を終了し、2014年には文化庁新進芸術家海外派遣研修員としてイタリアで見聞を広げた。作品は、今回の「やかん体、転倒する。」や、バナナをモデルにした「黄銅の薄し実芭蕉」などがあり、個人的には日常に馴染みある物の空間を操り、日常から非日常へと見ている人を誘ってしまう強さがあるように感じている。
「やかん体、転倒する。」は、幅2.4メートル、高さ1.7メートルの真鍮製。金沢市は以下のように作品を説明している。
普段何気なくある「やかん」を、パブリックな場にひきのばすことの単純な対比の面白さや視覚性の面白さを表現し、地域の皆様から、愛着を持って頂ければと思い制作された作品である。日常品の中に芸術性を見出し、日常生活と芸術の橋渡しとなる作品で、温もりがあり、金沢を訪れる方々にまちの温かさを伝えることができる。
おそらく完成当初はもう少し明るいブロンズ色をしていたのだろう。しかし、太陽を浴び、雨に打たれの日々を過ごしている内にドンドン色合いが色あせていったことがうかがえる。それはまるで普通のやかんが各ご家庭で使い込まれていくように、日常に馴染んでいくような感覚と似ているのかもしれない。
また、渋谷駅ではハチ公前で待ち合わせするように、名古屋駅では金の時計前で待ち合わせするように、金沢駅の人々の馴染みの場所がやかんの前になっているのだとしたら、日常に入り込むことにも成功している。良いパブリックアートとはそういうものなのかもしれない。
金沢市が抱えるパブリックアートの課題を知ったとき、自分の中ですごく納得したことがあった。今まで各都市で様々なパブリックアートやモニュメントを見てきたが、心に残るものと残らないものがあった。しかし、これまでその理由を明確に言えずにいた。作品として差があったかと言われればおそらく違う。作りが凝っていたり、工夫が見えたり、感情的だったり、各作品には各作品の良さがあった。けれど、グッとくるものとこないものがあった。
きっとその理由は、「都市や街としてコンセプトやテーマを持った上で、その作品を街の一部として置けているのか」ということだったのだと思う。作品は一つで輝くこともできるが、街と作品が相互に関わり合うことで、より一層街も作品も輝くことができるのだ。
親しみやすさや温かみがあるってことが長く作品が愛される秘訣なのかもしれない。
もちろん媚びることなく、自分の軸は曲げずに。
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*引用・参考
・ コンペ入賞作品
・金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション 2004 募集要項 | コンテスト 公募 コンペ の[登竜門]
・三枝 一将 | KOGEI Art Fair Kanazawa 2017
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伝わるものと伝わらないものと 19
「食も情報なのです。」
「味の形 迫川尚子インタビュー」という本を読んでいて
「ファーストフード」と「スローフード」の話が出てきたのだけれど、
ファーストフード = インフォ・プア・フード(情報の陳腐なフード)
スローフード = インフォ・リッチ・フード(情報の豊富なフード)
という表現をしていて気がついたんだ
疲れていたり何かに集中していて、食べることを忘れ
それでも、食べることをしないといけない時に
コンビニや牛丼やうどんやハンバーガーやピザに頼ってしまう時
きっと僕らはその食事が何であろうと構わないのだろう。
丹精込めて作られた食事は心洗われ素晴らしいものだけれど
その食事の中には豊かな"味"という情報が広がっていて
食事に心を割くことができない時に
なぜか豊かな味を体は求めていなかったりする
無心で食べることができるもの
それがファーストフード
あゝ
食も情報なのです。
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平和の森公園 Part2 / 改めて見る中学の教育方針 / 今の自分に照らし合わせて
ぴーちくぱーちく議論を重ねて。
平和の森公園
平和島が竣工されたのは1967年。開拓当初はまだ"島"として成立していたが、1981年に運河の一部が埋め立てられ、その地に「平和の森公園」が完成した。それによって、平和島と大森地域が平和の森公園によって繋がった。(平和島の歴史はPatr1をご確認ください。)
平和の森公園では、フィールドアスレチックエリアがあったり、
アスレチックエリアは、高校生以上360円、小・中学生100円で遊べてしまったり、
木々が自由に踊っていたり、
色彩豊かな緑が生い茂っていたりする。
そんな平和の森公園には、大田区の中学生が作った石像たちが平和の広場を見守っている。
中学生たちの作品の存在感
「上級生が下級生の手本になる」という校風を大切にしている大森第一中学校が作った作品が「遊・生・創」。遊ぶこと、生きること、そして、創ること。3つが関わり合うことで毎日が楽しくなるし、社会との関わりも深まっていく。きっと自分の価値がどこにあるのかを考える前に、まず一生懸命やってみようよ!という本能的な部分が詰まっているように感じる。
[大森第一中学校 教育目標]
1.決まりをよく守り、責任を果たす人になろう。
2.自ら進んでよく学び、よく働く人になろう。
3.心身ともに健康で、情操豊かな人になろう。
4.たがいに尊重しあい、思いやりのある人になろう。
二頭身の小柄な天馬が飛び立つような様相が個性的な大森東中学校の作品「親和」。特徴的なのは他の中学校にはない石以外のものを活用して、首飾りのようなアクセサリーをつけている点だ。きっとファッション性や時代性をしっかりと掴む生徒が育っているのかもしれない。冨田校長先生が語る目指す学校像にも、自由で個人個人を認め合う気持ちが伝わってくる。修学旅行の座談体験の造語「お・い・あ・く・ま」。「怒るな・威張るな・焦るな・くさるな・負けるな」という言葉が沁み渡る。
[大森東中学校 目指す学校像]
「学校生活が楽しく、明日が待ち遠しい学校 」
1:「十人十色」
2:「命の大切さを理解して、いじめや暴力を許さない学校」
3:「人と街と自然を愛し、たくましく、さわやかに生きる生徒」
"顔"というのはどのように構成されているのか。目と口があれば最低限顔に見えるのだろうか。そんな問いかけを「フェイス」からは感じることができる。一人一人の顔をしっかりと見るということは普段なかなかできないものだ。人の顔も歳を重なることで変わっていくし、様々な経験をすることでも変わっていく。その時その時のその人その人の今が顔には詰まっているのだろう。
[蓮沼中学校 教育目標]
・人権を尊重する生徒の育成
・自ら学ぶ生徒の育成
・心身ともに健全な生徒の育成
大正から行われた田園都市構想により、今も伝統的かつ整った都市整備の姿が垣間見える田園調布。その地で育った中学生は「友達」という作品を作った。前の人に後ろの人が肩に手を乗せ、支えて励ましているような姿。大切な友達という定義はとても難しいけれど、大変な瞬間や分かち合いたい瞬間を共に過ごすことができるというのが大切なんじゃないかと思わせてくれる。
[田園調布中学校 教育目標]
自ら学び 考え 行動する
思いやりの心をもち 正義を愛する
生命を尊び 健康に留意する
小鳥のさえずりが語源となっている「ぴーちくぱーちく」という言葉。盛んに声を出すことから、人のおしゃべりが盛んに行われることを示す様にも使われる。デジタル社会が進み、一人一人の発言もより手軽になった一方で、プライバシーをSNSで公表するなど声を出すことに多大な責任が問われるようになってきた。しかし、人類は言葉で歴史を繋いできたことから、「声を出すこと」がこれからより大切になってくる。そんな期待や予想をこの作品は表現しているように感じた。
小学校、中学校、高校と、ある種当たり前のように学校に通ってきたなかで、大人になってから再度中学校のホームページを訪れたらとても大切なことが書かれていることに気づかされる。
個性を育んでいくこと、自ら考えていくこと、思いやりを持つこと。きっとあの頃は生活が続いていく中で、人と関わり、人の中で自分の価値を見出していくことの重要性なんて考えもしなかったから、どこか堅苦しく感じる教育方針になんの関心も持たなかったのかもしれない。
けれど今大人になり、再度教育方針や学校の目座す目標を見てみると、"今の自分"にどう当てはまるかを考えている自分がいた。きっとそれは昔を懐かしみたいのではなく、初心に帰り"今"の自分とどう関わっていくかという未来への希望に溢れている気がした。
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平和の森公園 Part1 / 平和島の歴史と名付け / 創造溢れる大田区中学生の作品たち
中学生の自由さよ、想像を超えてゆけ。
平和島に寄り添う「平和の森公園」
「平和島」。東京都大田区の大森と大井の間に位置し、東京湾に埋め立てられた人工島だ。なぜ平和島と名付けられたかと言えば、その答えは大正・昭和へとさかのぼる。横浜港が活用されていた時期、東京港は資金難にてなかなか開拓が進まなかった。しかし関東大震災をきっかけに開拓が進むことが決定し、東京港開拓が進むことになる。前向きな状況もつかの間、漁業や組合からの猛反対により開拓は途中で終了。開拓の中止により現在の平和島の一部に未開拓地が残った。検討の結果、太平洋戦争の俘虜収容所としての活用が決まり、戦後は戦犯一時収容所としても活用された。そういった経緯から、戦争を忘れない象徴としてこの埋立地は「平和島」と名付けられた。一つ忘れないでおきたいのは、平和島周辺の大森地域はかつて海苔の養殖が盛んであったこと。東京湾の開拓による排水や埋め立てにより現在は幕を閉じており、何かを失った上に何かが成り立っているということ。
平和島が竣工されたのは1967年。開拓当初はまだ"島"として成立していたが、1981年に運河の一部が埋め立てられ、その地に「平和の森公園」が完成した。それによって、平和島と大森地域が平和の森公園によって繋がった。
平和の森公園では、「平和都市宣言」として「愛し子の像」が公園全体を見渡していたり、
「平和の広場」と名付けられた広々とした広場でおもいおもいの時間を過ごすことができたり、
老若男女がトレーニングに励んだり、
アヒルが池で優雅に泳いでいたりする。
そんな平和の森公園には、大田区の中学生が作った石像たちが平和の広場を見守っている。
中学生の存在感ある作品たち
"みらいのわたし" というスローガンを合言葉に、未来へ向かう自分つくりの学校を目指している志茂田中学校。「夢」と題された作品は、顔も身長も人種も異なる3名がそれぞれ別の方向を見つめている。「人それぞれの個性は違って、得意なことややりたいことも違う。それぞれが目指す夢を追いかけていってほしい」という願いが含まれていそうだ。
[志茂田中学校 教育目標]
・自ら学ぶ、行動力のある生徒を育成する
・優しく、思いやりのある生徒を育成する
・明るく、朗らかな生徒を育成する
「集い」と題される本作は、特徴の異なる7名が一つの場所に集まった情景を表現し、「これからこの7名で新しい何かを考え、生み出そう」という期待と発見に満ちた会のように見えた。残念ながら中学校名は黒くなり見えなかった。
「夢を育む学校」と語る細越政道校長が語るように、「感動」「笑顔」「希望」をキーワードに生き生きと活動する生徒を育てることを目標に掲げる大森第四中学校。「巣立ち」と題された作品は、4匹のヒナがいざこれから大空へと飛び立つ情景を表現している。いつか生徒は巣立っていってしまう。悲しさはありつつも、そこで培ったことを活かして、違う場所で活躍することを誓うような姿を見た気がした。
[大森第四中学校 教育目標]
人権尊重 の精神を基調として、広い視野をもって未来を主体的に生き抜く資質を養うため、次の目標を掲げ、全教職員で教育実践に取り組む。
恵まれた環境を活かし、
「自主的で品のよい、健康な、努力を惜しまない生徒」を育てる。
1947年(昭和22年)創立の大森第十中学校。2019年のめざす生徒の将来像を「社会に貢献しようとする人(未来の社会を創る人を育てる)」として、先ゆく未来を創造しようとしている姿が見える。「・・・alinfini(はてしなく)」は、そんな果てない未来を生徒たちが創造して表現したものなのかもしれない。様々な歯車が回って世の中ができていて、その世の中に自分も入っていく期待や不安も見え隠れするように感じる。
[大森第十中学校 教育目標]
人権尊重の精神を基盤とし、国際的視野に立ち、生涯にわたる学習の基礎を培うことをめざして、次の目標を設定する。
・心身ともに健康な生徒
・自ら学び、解決する生徒
・自他を大切にし、鍛え合い、高め合える生徒
作品名「喜怒哀楽」。喜び・怒り・哀しみ・楽しむ、そんな人間として基本的なことでありながら、普遍的に大切にしないといけない気持ちを、ここまでストレートに豊かな表現力で作り上げた作品は、どの顔も記憶に残る顔をしている。日々のどれかを忘れてしまって自分を見失わないように、彼ら彼女らに教えられているような気持ちになれる。
[馬込東中学校 教育目標]
夢と希望を持って、未来を拓く生徒を育成する
・自ら学び行動する生徒
・健康でたくましい生徒
・礼儀正しく心豊かな生徒
かつてなかった海面の上に陸地を作る埋立地。その陸の上で、人々は生活をして、中学生は表現を行なっている。そこに陸地がなければ今日の表現が行われなかったことを考えると、埋立地があってよかったと思いつつも、海苔の養殖のように伝統として残せたモノゴトが失われていっていることも事実だ。
そんな裏腹なモノゴトの上に地上があることを忘れず、中学生たちの未来が花開くことを願い、作品を鑑賞していきたい。
Part2へ続く。
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*引用・参考
・6:「京浜運河」開削計画と「平和島」の変遷 ~ 大森・蒲田 | このまちアーカイブス | 不動産購入・不動産売却なら三井住友トラスト不動産
・ボートレース平和島の水面は東京湾の運河・・。 | ボートレース平和島 ピースターブログ
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伝わるものと伝わらないものと 18
子供が生まれる日、生まれてからの数日。
子供が生まれる日、生まれてからの数日
よく空を見上げてた
なんだか太陽や雲の動きが
子供の心と共鳴している気がしたから。
無事生まれてきてよかった
日々も空も変わっていく。
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国立科学博物館 in 上野 / 生き物が生きるということ / 美しさと気持ちわるさと綺麗と怖いと
誰かは美しいと言って、誰かは気持ちわるいと言う。
国立科学博物館で出会った神秘
上野にある国立科学博物館に行って
思っていたんだ。
生き物はただ生きていただけなのに
誰かはそれを「美しい」と言い、
誰かはそれを「気持ちわるい」と言った。
誰かはそれを「綺麗だ」と言い、
誰かはそれを「怖い」と言った。
彼ら彼女らは
ただ生きていただけだったのに。
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SHADOW OF SHADOW / 彫刻家キム・ヨンウォンが見る影の世界 / ない空間に見えるある空間
ない空間には、ある空間が広がって、そこに本当が見つかって。
彫刻家キム・ヨンウォンが見る影の中の影
ソウル市内を歩いている時、遠目から「大きな人がいる!」と思ったのが彼の作品との出会いだった。作品名は、"그림자의 그림자(SHADOW OF SHADOW)"。日本語では「影の影」というなんとも意味深いタイトルだ。
「影の影」を作ったのは、韓国のベテラン彫刻家"キム・ヨンウォン(Kim Young Won)"、1946年生まれ。キム氏は、1975年から芸術関連の活動を始めて以降、ソウルの中心地である光化門広場に立てられた世宗大王像を制作したり、世界でも数多くの彫刻展に参加するなど、韓国でも世界でも名高い地位を築いている。また培ったキャリアを活かし、国立大学忠北大学や弘益大学では美術教授に、香港大学では芸術学部長に就任し教育にも力をいれている。2008年以降は韓国彫刻家協会の理事長を務め、韓国の美術界では欠かせない存在になっている。
「影の影」の作品をよく観察してみると、全身が白いマネキン。右半身は人の形を再現しているが、左半身はスパッと一面が切られたように綺麗な平面になっていることが特徴的だ。またタイトルに(alone=一人きり)とあるのも何か意味がありそうだ。
なぜこの作品ができたのか答えは出ず、私は先を進むことにした。
DDPに"SHADOW OF SHADOW - The Road"
東大門(トンデムン)という地域を歩いていると近未来的な建物が見えてくる。2014年3月にオープンした「Dongdaemun Design Plaze(東大門デザインプラザ)」、通称"DDP"だ。イラク出身の建築家ザハ・ハディッドによって設計され、空間を捻じ曲げたような非線形な立体設計技法が用いられている。DDP内にはミュージアムやアートホール、デザインマーケットやショッピング店など、ソウルの新たなランドマーク的存在になっているという。
そのDDPの入り口にまたしても"SHADOW OF SHADOW"が立っていた。今度は全身金色でDDPの中央部分をじっと見つめている。完成は2016年、高さは8メートルある。今度のタイトルには"The Road = 道"と名付けられ、先ほどのaloneとは意味合いが違うようだ。
貴重な制作風景の動画があったので、見てみてほしい。型に銅材を流し入れ、部分部分を溶接して、表面を整えていく。幾人もの技術者の協力があって作品が出来上がっていることがよくわかる。4:06辺りに出てくる白髪の男性がキム・ヨンウォン氏だ。
aloneを見て考えていて、The Roadを見たことで気づいたことがあった。切り取られた面を見ていると、そこには人の体がないはずなのに、切り取り面の部分に想像の空間を頭の中に広げていることだった。もしかしたら、「あることはあること、ないこともあること」なのではないかということに気づく。切り取られた先にも空間が広がり、人にそれを想像させる。ないはずの空間に何かがあり、人はない空間にある空間を見出そうとするのかもしれない。
DDPに"SHADOW OF SHADOW - Flower Blossom"
The Roadの少し先にまたしても"SHADOW OF SHADOW"があった。The Roadの金色より少し茶色がかっている。こちらも完成は2016年、高さは8メートル。タイトルはFlower Blossom(花の開花)。
こちらも貴重な制作風景が残っていた。人の体が開く部分の溶接にかなり苦労していることがわかる。
キム氏は、Flower Blossomでは、「人間の欲望と、人間の歴史の誕生と消滅を、花の生成と消滅で再現した」という。人が見ている外側の自分の中には、祖先の血や欲や夢や悲しみなどが渦巻いて、もっとも内側の自分が見えない。仮に自分という存在が何層にも連なって自分ができているのだとして、一番内側の自分は外側からは見えないけれど、一つ一つを剥がしていってくれる誰かがいれば、一枚一枚剥がしていって、本当の自分を見つけることができるのだろうか。
キム氏は「影」について以下のように表現している。
A shadow is a reflection of the individual’s scent and emotional space.
影は、個人個人のにおいや感情的な部分を写すものだ。
"ない空間"で見えないものは人の想像力で"ある空間"が見えたり、表面的には見えない部分は花びらを一枚一枚はがすようにしていければいつか本当の自分を見つけることができる。
「影」の中にこそ、自分の答えがあるのかもしれない。
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*引用・参考
・Kim Young-won brings unique perspective to historic Italian city-INSIDE Korea JoongAng Daily
・Human form-INSIDE Korea JoongAng Daily
・10 Korean Sculpture Artists to Watch | The Artling
・10 Korean Sculpture Artists To Watch | Hong Kong Tatler
・The Dongdaemun Design Plaza, Seoul, South Korea - Travel Past 50
・Korea and Italy rediscover nudity
・Sculpture Exhibition of Kim Young Won [Me-Towards Future]
・동대문디자인플라자 '나 미래로' 김영원 조각전 - YouTube
・東大門デザインプラザ(DDP)|東大門(ソウル)の観光スポット|韓国旅行「コネスト」
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MMMAd / 出会いに出会い出会う広告 / 韓国・ソウル
韓国に行っても様々な広告に出会いに出会い出会った。
What is MMMAd?
道端を歩いていても、電車やバスに乗っていても、PCやスマフォを眺めていても、とにかく出会いまくる「広告・広告・広告」の数々。僕はあれら広告が量産されて、ただ消えていくように思えてしかたがない。だから残してみることにした。誰かの心に残っても残らなくてもここに来れば思い出せるように。 名前は、「出会いに出会い出会う広告」。英題は"Meet Met Meeting Advertising"。略して"MMMAd"。
ソウル駅 地下通路近辺
TikTok
Bytedanceによってリリースされたショート動画共有アプリ。短尺動画だと簡単に言うが、表現方法はかなり奥が深い。
이대휘 HAPPY BIRTHDAY
이대휘(イデフィ)というアイドルの誕生日を祝った広告。一人のアイドルの生誕を祝う、そんな広告がありうるのか。文化の違いを感じる。
WORKNET 장년워크넷
生涯キャリア設計をサポートしているWORKNET。寿命が延び人生が長くなっている世の中で、40歳以上の在職者または求職者に早くから先のキャリアを設計し準備しようという、保険とは少し違うことがおもしろい。
한주소금 Hanju Salt
Premium Pure Salt "ハンジュの塩"の広告。深海から取った100%国産塩で、不純物を取り除き衛生的かつ安全な管理を行なっている。日本でいう「食卓塩」とか「伯方の塩」のようなものだろうか。
ソウル駅 空港鉄道改札近辺
질병관리본부 KCDC
Korea Centers for Disease Control & Prevention (KCDC) という病害対策や防止を行なっている韓国行政機関。アベンジャーズになぞらえて決死の覚悟で人々を守っていることを打ち出している。
"Just as the Avengers protect the Earth protect my family. I am a hero, too!"
「地球を守り家族を守るアベンジャーズたちのように、私たちもヒーローなのだ。」
JinKO Solar
世界No.1 太陽光パネルメーカー。ヒョウの孤高さのように常にNo.1を走り続けていくことを表しているのだろう。
Jinko Solar | Your Best Supplier of Modules,Cells & Wafers
전문대학포털 PROcollege
「実力中心社会をリードする」という超学歴社会である韓国を象徴するかの大学広告。
현대제철 HYUNDAI STEEL
"現代製鉄"という高炉、アーク炉、特殊鋼、軽量材料の開発などを行う製鉄会社。 サイトに飛ぶと工場風景を映した動画が流れるが、とってもかっこいい。
iPhone XR
ご存知Apple広告。横に長い大型ディスプレイを使い、韓国でもインパクトが大きい。
仁川国際空港フロア内
VEDI VERO
1991年に韓国発祥のサングラスブランド"VEDI VERO(ベディ・ベロ)"。"ファッションサングラス"を掲げ、高級サングラスとして今や世界でも購入できる。
Sulwhasoo
韓国発の高級スキンケア商品ブランド。1966年に韓国発の韓方keshouhinn"ABC人参クリーム"を発売してから、肌の根本から悩みを解決するトータルケアサポートを提供している。
この大型ディスプレイはmonokannが感動したものの一つ。仁川国際空港のフロアの中心に大きく打ち出されたディスプレイ広告は、広告のインパクトだけでなく、建物としても「ここがフロアの中心なんだ!」と来客者たちに認識させるシンボル性もあると思った。大きなブランドが広告を打ち出していることから、値段もかなり高いのだろう。
広告は人に見られてこそ広告なのだと思うけれど、掲載されている空間を支配したり、唯一無二の存在感を放ったりすることも大切なことだと思う。
それが叶えば、広告は邪魔なものではなくて、人々の生活の中に入り込み、寄り添ったり頼ったりすることができるものに変わっていくのだろう。
あなたの日常の中にもそんな広告はあるだろうか?
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