"単管バリケード"を探そうVol.1 / 日常の特別 / カエル・いるか・キティちゃん etc...
生活をしている中で、少し遠出をして旅行に出かけたり、デートで映画を見たり、家族で遊園地に行ったりと特別な場所で特別な物を見に行ったりする。そういう"特別"は生活する上ではすごく大切で、日常をふと忘れられたり、明日からの活力をもらえたりする。
しかし、全く特別ではなく、むしろ生活に馴染みすぎていて目も意識も向けない物たちがいる。例えば、信号や電灯、歩道やガードレール、マンホールやポストなどがそれだ。それらはあるのが当然であり、"役割"を重視してしまう関係で"形"に目を向けることもなかなかできない代物達だ。けれど、その"当たり前"の物にもしっかりとエンターテイメント性や人々を楽しませる要素があることに気づいてほしい。もちろんそいつらは自分の役割をしっかりと全うしていることも忘れないでほしい。
工事現場などでよく見かける柵。この子達にもしっかり名前があって「単管バリケード」という。
単管バリケードは、単管パイプという鉄パイプを使用したバリケードのこと。ひと昔前は「A」の文字を使用した簡易的な形だった。それが2006年頃から動物型などのキャラクターバリケードが登場してくる。その始まりは、保安安全用品の販売やレンタル事業を行っている「仙台銘板」。仙台銘板の旭川営業所が、大人気動物園"旭山動物園"に便乗する形で開発・作成したのだという。最初のキャラクターはサル型だった。さすが仙台銘板の理念「人に優しい(セーフティ)」「地球に優しい(エコロジー)を唱っていることだけはある。
今では仙台銘板だけでなく色々な会社からもキャラクターバリケードが登場しており、カエルやイルカ、ウサギや人型の物まで様々ある。沖縄に行けばシーサー型、群馬に行けばぐんまちゃん型などもあるんだから便乗の仕方がなかなかすごい。
photo: 街角図鑑 - 三土 たつお
基本的なバリケードの仕様は、キャラクター部分が横幅40-50cm、高さ70-80cm。スタンドと呼ばれる部分がキャラクターなどの部分になっており、その上下にクランプと呼ばれる約4mのパイプを支える部分がある。もちろんかわいい形だけでなく役割もしっかりしており、キャラクターの目や耳が反射板になっていて、夜に車の光が当たると光る仕様になっている。これで安全面もばっちりだ。
読者の皆さんもきっとどこかで見たことあると思うが、見ると工事現場の雰囲気を和やかにしていることがわかる。それは工事の受注業者も同じで、工事発注の権利を手に入れるために、工事予算だけでなく工事のイメージを上げることもポイントになるとのことで、キャラクター型バリケードが頻繁に使われるのだという。
今回はこれまでmonokannが出会った単管バリケードを幾つかご紹介。先に載せた物から。
黄緑色のカエル・・・ケロガード(片桐機械株式会社)
→爽やかな黄緑色にちょっと間抜けな目。目が反射板になっていて光るぞ。出会いは渋谷駅。
青色イルカ・・・いるかガード(仙台銘板株式会社)
→イルカが跳ねてジャンプするように楽しげな表情が忘れられない。福岡空港で出会った。
キティちゃん・・・キティちゃんガード(仙台銘板株式会社)
→この前僕の知り合いが「キティちゃんは仕事を選ばない」って言っていて至極納得した。出会ったのは新宿駅前。
ピンクくまさん・・・セーフティースタンド"クマ"(三甲株式会社)
→ちょっと鼻が大きすぎる気がしないかい。。。こちらも新宿駅での出会い。
黄色のトラさんと茶色のたぬきさん・・・セーフティースタンド"トラ""タヌキ"(三甲株式会社)
→こちらも三甲の物。あとパンダもあるぞ!彼らは埼玉県富士見市でお目にかかった。
工事現場のお兄さん・・・人型安全単管バリケード"セフティファースト"(グリーンクロス)
→「工事していてご迷惑をおかけしております。」と言わんばかりの穏やかな表情が誠実さを醸し出している。先日の記事、長崎・出島で出会ったお兄さんだ。
僕が今のところ写真に収められているのは今回の7種。どれも心に刺さる表情をしていたり、楽しさを感じたり、馴染みがあったりする。これからも生活する中で出会ったら、写真に収めていきたい。読者のみなさんも日常で出会っている物にふと意識を向けてみると、きっと楽しい発見があるはずだ。そして、キャラクター単管ガードレールに出会ったら、ぜひ僕に教えてほしい。一緒に全コンプリートを目指しませんか?
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*引用/参考資料
・新種発見! キリン、ゾウ、イルカもいるよ|上越タウンジャーナル
・仙台銘板
・工事現場にいる、かわいい動物の単管バリケードいろいろ - NAVER まとめ
・asahi.com(朝日新聞社):工事現場にシカ、サル、カエル 心和む動物型バリケード - 列島こんな話
・街角図鑑 - 三土 たつお(実業之日本社 / 2016/4/28)
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