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カンボジア・ラオスの旅 [8] / 1分と1時間 × 街と集落 × 旅で開かれる心 / ラオス・シェンクワーン地方"ポーンサワン"へ

https://www.instagram.com/p/BC0d_p7KIYc/

人種と時間感覚の差

心開かれる旅

最後の街ポーンサワンを散策

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※前回の続き

 

ラオス人の温和な時間感覚

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旅も残り2日間。この日はジャール平原のあるシェンクワーン地方の"ボーンサワン"という街へ移動する。

昨日ホテルで今日移動するバスの予約をしていた。ホテルからバス停までの迎えの車が来る時間は8:30、バス出発は9:00だという。僕は7:30に起床し、朝食にカロリーメイトを食し、8:15分頃チェックアウトをし、8:30の迎えを待った。

しかし、時刻は8:30になったが迎えが来ない。少し不安になった僕はホテルの受付の兄ちゃんに尋ねた。

 「迎えの車は、8:30にここ(ホテル)に迎えに来るでいいんですよね?」

 「そうです。心配しないでお待ちください。」

まぁ少し遅れているだけかと、僕はホテルの玄関口をうろちょろして待った。

 

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時刻は8:45。しかしまだ迎えが来ない。受付の兄ちゃんの顔を少し見ると「大丈夫大丈夫」という顔で返答した。時刻は9:00。予定のバスの出発時刻。もう一度尋ねると、「もう少しで来ますから安心してください」と返された。僕は「もうどうにでもなれ」と半ば開き直って待つことにした。

 

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それから待つこと30分、時刻は9:30。ガタガタガタと遠くから車が来る音がする。どうやら来たらしい。迎えの車は少し大型のトゥクトゥクで、すでに10人ほどが乗っていた。僕は受付の兄ちゃんに手をあげ挨拶すると、彼も手を上げ満面の笑みで返してくれた。

運転手が降りて来て、僕の荷物を車の上へと置いた。そして、少し席を詰めてもらい、車は発車した。それからトゥクトゥクは更に3つのホテルを回った。身長の高いヨーロッパ系のカップル、アメリカ人の旅人女性、大学生のような韓国人カップル2組。座席はパンパンで、旅人女性と韓国人の男性2人は後ろで立っていた。3人は英語で、出身国や行く場所などを楽しげに話していた。

 

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時刻は10:00。予定から1時間が過ぎて、バス停に到着した。

 

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トゥクトゥクを降りるとすぐに8人乗りのバンに誘導された。5台ほどバンが止まっており、それぞれ別の場所に行くみたいだ。(昨日さんざん乗るのは"バス"と聞いていたが、結局バンだった。)物静かな運転手のお兄さんによって、再び各自の荷物が荷台に置かれていった。

 

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中はかなり狭く、運転手を入れて8人パンパンに乗車した。このスペースで7時間乗りっぱなしというのもなかなか厳しそうだ。助手席は南米系の旅人の男性(天パー)、2列目は僕とアメリカ人の老夫婦(あとで教えてもらった)、3列目はヨーロッパ系の若めのカップルと旅人風の男性が座った。未開の土地で狭い空間に8人。こういうのを"運命共同体"というのだろうか?

 

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荷物が積み終わると、バンはすぐに発車した。と思ったら、近くのガソリンスタンドで給油をするようだ。給油が完了し、仕切り直してポーンサワンヘ向かおう!

迎えのトゥクトゥクからガソリンスタンドまでの間、ラオス人についてずっと考えていた。前回、「ラオス人は温和な性格」と話したけれど、それは同時に「流れている時間がゆっくり」ではないかと気がついた。日本人は時間に正確すぎるけれど、ラオス人はルーズ過ぎたりもする。でも正確には、"ルーズ"ではなくてラオスでは"普通"なんだと。「1分や10分にとやかく言うな、気長にやっていこうじゃないか!」と言われている気がした。

 

ガタガタ道と集落と

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7時間の道。僕は体質的に酔いやすいのだけど、あいにく酔い止めを忘れたため、ずっとガムを噛むことにした。バンが出発後、子供達がたわむれていた。

 

家は、マンションなどはなく、木造家屋が並ぶ。川もあって優雅な自然が広がる。そして、動画見て頂ければ伝わると思うが、とにかくバンが揺れる揺れる。ガタガタガタガタ、ガタンガタン。ラオスはインフラが整備しきれていない関係で、基本デコボコ道となっている。

 

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出発から10分もせず、景色から家々が減り、広大な山々が広がる光景に変わった。

 

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山を切り開いた細い道を通り、バンは結構なスピードで進んでいく。運転手のお兄さんは終始無表情で冷静だ。

 

走っていると、ちょこちょこ家が並ぶ場所がある。街というより集落に近いかもしれない。家と言っても、木造で壁もなく、嵐が来たらすぐに飛ばされてしまいそうな造り。けれど、ここにもちゃんと人が暮らしているようだ。こういった側面にもラオスという国内での格差を感じていた。

 

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外の景色を見ているのも案外楽しく、気がつけば2時間ほどが経っていた。するとバンのスピードが緩まった。どうやら昼食タイム+トイレ休憩のようだ。

 

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休憩所には、地元の食事からインスタント食品、乾燥物などが売られていた。「ここでお腹を下すわけにはいかない」と、何も買わず我慢をした。

 

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ビアラオの垂れ幕もあった。暑い日に飲んだらどれほど美味しいだろう。我慢ガマン。

 

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各々、車に乗っていた圧迫感やお尻の痛さから一時解放され、嬉しそうに時間を過ごしていた。僕はカロリーメイトを1袋食して、酔いに備えた。

 

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トイレは有料、2,000kip(約30円)。日本ではトイレはどこでも自由に使えるけれど、アジアや南米なんかに行けば有料は珍しい物ではない。ここのトイレはやたらとホラー感があった。

 

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トイレは手動で流すシステムだ。用をたしたら、桶で左側から水をすくい流していく。もちろんトイレットペーパーも、手を洗う場所もないのでご注意を。

 

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出発間際、休憩所を探検していたら、猿?の瓶詰めがあった。なぜこんなことになったのだろう。。

 

道は切り開かれ続いてゆき、人は繋がっていく

https://www.instagram.com/p/BB7UqXNqIWn/

さぁ、改めて進んで行こう。

なぜかわからないけれど、コンテナが崖ギリギリの所で止まっていた。奇怪・危険。

 

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ちょうど半分ぐらい来ただろうか。不思議と感じていたのは、「今まで通ってきた道は誰かが通ったからできた道だ」ということだった。どんな世界や業界にも先に歩いている人がいて、その歩んだ道を追いかけて進んでいく。そして、途中で自分だけの道を探して、新しい道を作ったりしていく。「道の繋がりは、人の繋がり」なのではないかと、ぼーっとしながら感じていた。

 

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助手席の男性は、何時間も乗っているツラさに堪え兼ねたのか、運転手のお兄さんに「あとどのぐらいで着くんだ?」と英語で聞いていた。けれどお兄さんは英語がわからず、寡黙な性格なようでその質問を無視していた。助手席男性はその反応に更にイライラを募らせていた。無理もない。

すると僕の隣のおばさまがクッキーを取り出してバンに乗るみんなに配り始めた。助手席の兄さんも少し心を落ち着かせたようだった。僕もありがたく頂き、お返しに日本のミルク飴をあげたら喜んでくれた。そこから、彼女らご夫婦との会話が始まった。

話を聞くと、2人はアメリカ・カリフォルニア出身で、旦那さんは会計士、奥さんは銀行員だったという。今は老後に入り2人で世界を回っているんだとか。僕もいとこがカリフォルニアに住んでいたことや、アメリカのオススメの場所はどこか?とか、色々話をした。途中、バンが今日一番揺れた時、僕が「遊園地みたいですね。」と言ったら、「リアル遊園地だわ。」って楽しげに笑っていた。楽しいひと時だった。

旅というのは不思議と心を開くことができる。たまたまか偶然か出会い、互いの話をする。すると、知らない場所で生きた人と人の間に自然な繋がりと、柔らかな喜びが生まれる。もう出会わないかもしれない、今日この時間だけかもしれない。けれど、だからこそ心を裸にして、壁を作ることなく素直に話ができるのではないだろうか。

 

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少し瞼が重くなり、眠りに着いた。起こされた時は、2回目(最後)のトイレ休憩だった。場所は広大な自然の中。男性は草の中へ用をたし、女性は我慢するしかなかった。お尻の痛さも結構だった。

  

街に近づいて来たのか、徐々に家が増え始めてきた。到着は近い。

 

シェンクワーン地方"ポーンサワン"を散策

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ガタガタ道を行くこと7時間。時間は夕方17:00。バンは無事、シェンクワーン県の県庁所在地"ポーンサワン"の街に到着した。設立は1970年代と比較的新しく、人口は6万人程の小さな街だ。

バンを降りると、ゲストハウスから迎えが来ていた。アメリカ人の老夫婦と握手をして、僕はチェックインとツアー予約のためゲストハウスへ向かった。

 

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前日に予約したゲストハウス"The Hillside Residence"。部屋も綺麗で、設備も充実していて3,000円程と、よい内容。疲れた体を癒すことができた。

 

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それでは少し街を探検してみよう。

 

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中心街の"サイサナ通り"には、車が行き交い、幾つか飲食店やお店も並んでいた。けれど、街全体はゆっくりな時間が流れている印象を感じた。

 

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外見は綺麗なマンション。しかし作りかけか取り壊しかで、使用されている感じはない。

 

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建設途中の家。注目したいのは支えが全て木だということ。

 

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とあるお家の中にいた人形。手と耳が奇妙に繋がっている。

 

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先ほどバンを降りた場所は市場だったようだ。

 

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通路でバナナが売られていたり、

 

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カラフルなおもちゃが売られていたり、

 

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鎌やスコップが売られていたりとさまざま。

 

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カンボジアでも思ったけれど、やはり市場には活気とエネルギーが溢れる。

 

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ラオスの魚はどんな味がするのだろう。

 

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鶏肉を並べるのはアジアでの定番なのだろうか?

 

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特徴的だったのは多くの白い麺が売られていたことだった。これは米から作られた麺で、"Feu フー"という料理に用いられる。

 

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お腹が空いたのでフーを一皿いただくことにした。麺の喉越しはよく、出汁が効いたスープでとても美味しかった。なんだかもう一度食べたくなる味。

 

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子供を背負いながら働く女の子もいた。学校ではなくお家の手伝いをしないといけないのだろう。

 

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道がいい。

 

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ポーンサワンのお家は、アジアとヨーロッパが合わさった雰囲気に、どことなく南国のような色合いを感じる。今まで見たことのない雰囲気の家だった。

 

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日も沈んで来た。

 

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暗くなってからも街の奥の方の道を歩いていたら野犬数匹に追いかけられた。逃げた。

 

https://www.instagram.com/p/BC0d_p7KIYc/

 photo: monokann - Instagram

最後に、明日のジャール平原に備えて、前祝いに乾杯しよう。

[monokannの醸造所と味紹介]

「Lao Brewery Co.」

HP: BeerLao - The National Beer Of Laos

ラオス内のほとんどのシェアを誇る"ビアラオ"。それを作るのが1971年設立のLao Brewery Co.。ラオスには、NAMKHONG(ナムコン)ビールもあるが、ビアラオのシェアは圧倒的。植民地の関係もあり、設立当初はフランスとラオスの合弁国有企業だったが、今ではラオスとカールスバーグ社の持株会社となっている。Lao Breweryはビアラオだけでなく、カールスバーグビールや ミネラルウォーター、炭酸飲料なども醸造している、日本的に言う"キリン"や"サントリー"のような大きな会社だ。

今回はBeer Lao Dark Lagerを。ほんのりと香ばしい香りに釣られ一口を口に含むと、気持ち良く舌を刺激する炭酸を感じる。その後、麦の甘さと、ラオス産の米による旨味が合わさり、徐々にAlc6.5%が口に広がり楽しめる。後味はしつこくなく、麦と米の味わいの余韻が残る。

 

なぜ楽しい時間というのは過ぎるのが早く感じるのだろう。意識とは違うところで時間が勝手に流れている感覚。そんな時間の中にいる時が、あとあと思うと一番幸せだったりする。

 

 

※カンボジア・ラオスの旅 no.9に続く →→→ 執筆中 

 

 

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*引用/参考資料

・D23 地球の歩き方 ラオス 2016~2017(ダイヤモンドビック社/2015年11月)

ラオス - Wikipedia

Phonsavan - Wikipedia

BeerLao - The National Beer Of Laos

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