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物事を考え、新しい「1」を創り出す

カンボジア・ラオスの旅 [4] / アンコール・トム & タ・プロームを歩く / 瞬間を残す優しさ × 当たり前の音が聞こえる × 圧倒的自然

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四面仏頭"バイヨン"の存在感

ロングヘア女性の優しさ

圧倒的な木々のエネルギー 

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※前回の続き


アンコール・トムとは 

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 photo: Google マップ

「Angkor Thom アンコール・トム」は、アンコール・ワットから半世紀後に、"クメールの覇者"と呼ばれるジャヤヴァルマン7世によって造営された。12世紀後半、アンコールの王都はベトナムのチャンパ族により一時的に陥落していた。そこで、国土と人心をまとめなおすために、王は仏教をシンボルにした堅固な要塞を築くことを決め造営に至ったという。

"Angkorアンコール"はサンスクリット語で"王都"を指し、"Thomトム"はクメール語で"大きい"を指す。王都は、一辺3km、高さ8mの城壁で囲まれている。上の写真を見てもらうと、アンコール・ワットよりもかなり大きいことがわかるだろう。その入り口は、「南大門、北大門、西大門、死者の門、勝利の門」と5つある。アンコール・トムの中心には、四面仏頭が並ぶ「Bayon バイヨン寺院」がそびえ、他にも様々な寺院が点在している。

 

しばし休憩

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時刻は13時半ごろ。迷宮のラビリンス、アンコール・トムの空間に入り込んだ僕は、しばしのお昼休憩を取った。アンさんに連れられて到着したのはアンコール・トム内で食事処や土産屋が並ぶエリア。その中の一つのお店で腰を下ろした。ここには様々な観光客がおり、ちらほらと日本人も見受けられる。笑い声、疲れ顔、計画を練る真剣な眼差し。様々な思いが交差している感覚があった。

 

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注文したのは、RiceとBeefと記載があったメニュー(実際の商品名はよくわからない)と、アンコールビア。口の中が若干の砂感を感じつつ一時のエネルギー補給に徹した。

 

存在感際立つ四面仏頭"バイヨン寺院"

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アンコール・トムの中心地に位置する「Bayon バイヨン寺院」。バイヨンは、メール山(神々が住み降臨する聖域)を象徴していると言われている。特徴的なのは、四面ある巨大な仏の顔だ。この四面仏頭は全部で54個あり、見る者を圧倒する強烈な存在感がありながら、どこか落ち着く雰囲気がある。

バイヨンに立ち入った瞬間、僕は一人のカンボジア男に話しかけられた。随分流暢な日本語。「日本から来たの?」無視しようかと思ったのだけれど、面白そうだから話を聞いてみた。「バイヨンを見るならいい眺めのところを教えてあげるよ。少し急だから気をつけな。」男は、バイヨンを入ってすぐ左の場所へ僕を案内した。かなり急な階段。僕らは足をひざぐらいまで上げて登っていった。「ほらどうだい?すごいいい景色だろ?」「うわすごいな〜」カシャ!(それが上の写真)。「なんでそんなに日本語がうまいんですか?」「日本が好きで日本語を勉強したんだ。それに、昔日本の会社がバイヨンで工事?をしてくれて、感謝?しているよ。」「そうなんだ。」

 

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カメラを取る用事を済ませた男と僕は、ゆっくりと下へ降りていった。降りると男は手を差し出した。チップを求めているようだ。こういう時、僕は大抵「君が勝手に案内しただけだろ?僕は頼んではいない。」というスタンスでいる。曇り顏の彼を尻目に僕はバイヨン内に入っていった。

 

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中には中心を囲むように回廊がある。とても綺麗な姿に感慨深い気持ちになった。昔、ドラクエをやっていた時のように、冒険をするワクワク感を感じていた。

 

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回廊を歩いていると急に穏やかな顔が現れる。

 

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さらに中へ入っていくと、入り組んだダンジョンのようになっていた。

 

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都度都度、神様を讃える空間があったりもする。

 

 

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少し中の方にいくと、先ほどのお顔を間近で拝めることができる。

 

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圧倒的な存在感。どういう感覚を持てば、これを作ろうという発想にいたれるのだろう。

 

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バイヨンの反対側へいくと、瓦礫の山があった。おそらく今あるデータの中で当時の空気を想像しながら、一つずつ復元させていくのだろう。とっても素敵な仕事だと思う。

 

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アンさんとは2時間後に先ほどの食事をした場所で落ち合うことにしていたので、少し駆け足で巡ることにした。見る箇所はたくさんある。いそごう。

 

ウキウキのパプーオン

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続いて「パプーオン」と呼ばれる場所へ向かう。

女性がウキウキな感じのタイミングでシャッターを切った。彼女はどうしてカンボジアへ訪れたのだろう。

 

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「Baphuon パプーオン」は、3層からなるピラミッド形の寺院で、当時はバイヨンよりも高かったという。しかし、残念ながら現在は倒壊し、その高さはない。「空中参道」と呼ばれる200mの廊下を歩いた先に、中央祠堂が待ち構える。

空中参道の場所で、ちょうどヨーロッパ系の女学生らしき子達とタイミングが重なった。友達同士、楽しそうに会話をして廊下を歩いていく。

 

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積み重ねた作りに圧倒される。約60年に及ぶ修復工事は終了し、現在は全てを見ることができる。てっぺんには神殿らしきものもある。

 

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あの枠組みの先には、こことは違う時空へ行けそうな力を感じる。

 

その瞬間を残す親切を受けた"ピミアナカス"

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続いて、「ピミアナカス」へ向かう。

カンボジアは観光スポットになっていない場所にも何かしらの遺跡の痕跡がある。きっと今わかっていること以上の歴史や人が詰まっていたことだろう。そうやって歴史を好きになってきた、最近。

 

 

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「Phimeanakas ピミアナカス」、ただしくは"ピミアン・アカーハ"といい、「天下の宮殿」を意味する。赤いピラミッド構造が特徴で、当時は、王族の儀式の場として使用されていたという。

ピミアナカスでも一枚。この時ヨーロッパのロングヘア女性に写真を頼んだのだけれど、写真の左側に写っている女性が僕の写真撮影に気づかず、ずっと自撮り棒で写真を撮り続けていた。ロングヘア女性は、写真を撮っても撮っても、僕一人ではなく、彼女が写ってしまうことを気遣ってくれた。4枚ほどチャレンジしても一向に自撮り女性はこちら側に気づかない。「僕は別に大丈夫だよ。」と声をかけたのだけれど、ロングヘア女性は優しかった。「Hey!! He---y!! Okey??」と大きな声で自撮り女性を誘導してくれたのだ。アジアの男が一人でカンボジアにいることの思い出をしっかりと残そうとしてくれるロングヘア女性。一瞬、一時を残す大切さを知っているような優しさだった。

 

ライ王のテラス〜像のテラス

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駆け足の見学は続く。ここは「Leperking Terrace ライ王のテラス」。こちらも12世紀後半に創建された歴史がある場所だ。外部と内部通路には壁一面にレリーフが描かれた不思議な空気が流れている。

 

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僕は疑問に感じていた。これだけの物を作るには多くの人が作業に関わっていたはず。そうすれば計画通りの絵ではなく、個人が信じる絵を遊びで掘ってしまう人もいたのではないかと。(日本のサラリーマンみたいに従順に働いていた人ばかりではないはず。。。)そういった人それぞれの"混ざり"がこれら彫り物の狂気的なエネルギーを発しさせているのではないだろうか。人は歴史を作るが、人が歴史を複雑にわからなくさせているのではと考えたりしていた。

 

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もしここで野宿をしたら、どんな夢を見るのだろう。

 

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石の積み重なりに対して、それぞれの切れ目が異なる。これは、掘ってから重ねたのではなく、重ねてから掘ったとういうことがよくわかる。

 

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像のテラスにもやってきた。「Elephant Terrace 像のテラス」は、ライ王のテラスと同じように壁一面にレリーフが彫られている。長さは約300m程あり、勝利の門の正面に位置する。当時、戦いから凱旋した兵士達を迎え入れる場所であったと言われる。

 

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階段の入り口は、像の形をしてユーモアたっぷり。

 

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像のテラスの壁一面には様々なレリーフが描かれている。

 

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像のテラスの中央へ。勝利の気持ちとともに。

 

 movie: monokann: Walking around Angkor Thom and more - YouTube

どんな場所でも、人がいて、時間は流れていく。 僕はここの景色を忘れることができない。

 

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像のテラスと道路を挟んで反対側にある「Khleang クリアン」。クリアンは勝利の門を挟むように北と南にそびえ立つ。中は修復が続いている跡が残っていた。

ここの見学を終えると遠くから僕を呼ぶ声が聞こえた。「Hatto-ri!! Hatto-ri!!」、アンさんだ。どうやら気づけば移動の時間が近づいていたらしい。

 

当たり前の音を聞いた"チャウ・サイ・テボーダ"

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トゥクトゥクに乗り、アンコール・トムを抜け出した僕らは、次に周辺の寺院へと向かった。まずは、「Thommanon トマノン」と「Chau Say Tevoda チャウ・サイ・テボーダ」。二つは道を挟んで反対側にあり、ほぼ同時期に造られた。

 

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トマノンをさらっと見た後、反対側の「チャウ・サイ・テボーダ」へ向かった。そこで、僕はなんだかここで一度立ち止まったほうがいい感覚があったので、腰を下ろしゆっくりと時間を感じることにした。そして、気づけば10分ほど目を瞑り夢の中に入っていった。こんなに風の音や鳥の声を落ち着いて聞いたのはいつぶりだろう。誰かに優しくするためにはまず自分に余裕がなければいけない。その余裕があれば、聞こえなかった当たり前の音が当たり前に聞こえてくる。僕はここでそんなことを思い出させてもらった。

 

自然の偉大さを感じる"タ・プローム"

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この日、最後に訪れた場所「Ta Prohm タ・プローム」。ここは、アンジェリーナ・ジョリー主演映画「トゥームレイダー」の撮影でも使われた場所だ。元々は、ジャヤヴァルマン7世が母親のために造ったと言われている。敷地は広大で、東西1000m、南北700mの広さがあり、その中には遺跡と今尚成長する榕樹"スポアン"が見る者を待ち構える。

 

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入り口からしばらく歩くと場所が開けた。ここはまだ導入部分だというかのように、遺跡の先の木々たちがモンスターのようにこちらを見ているようだった。

 

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中を散策する前に、僕は周りを歩き回った。散乱する瓦礫たち。

 

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少し中に入ると、カンボジアに来てからもっとも神秘的な時間を感じていた。

 

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中は瓦礫があったり、行き止まりだったり、工事用品があったりと様々。

 

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明らかに木々の根が末恐ろしい大きさをしている。遺跡を食ってしまうような、巨大なイカにも見えたりもした。

 

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タ・プルームの中で最も立ち止まり、大好きになった場所。

 

 movie: monokann: Ta Prohm in Cambodia - YouTube

不思議とゲーム"ロマンシング・サガ"の世界に入ったような感覚がした。兄と一緒にやっていたから、その懐かしさを感じていたのかもしれない。

 

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木々は表に出ている部分よりも根のほうが長いという話を聞いたことがある。しかし、ここの木々たちは、根の部分も包み隠さす表に出して主張していた。根は色々な道を選んでいることを知った。

 

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人間は自然に比べたらちっぽけな存在だ。けれど、人間が作った遺跡郡は時間をかけて自然と同化し、一つの作品になっている。遺跡の中にも根っこが入り込んだような、この空間すべてがエネルギーに包まれている感覚があった。

 

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自然に敬意を。

 

アプサラの踊りと共に振り返る

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歩き疲れた夜は、一人ゆっくりビールを飲みながら、クメール文化の象徴「アプサラの踊り」と、昔結婚式の際に踊っていたという「ココナッツ・ダンス」を鑑賞していた。

 

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一息ついて次の日に備えようと思った。まだカンボジアで見ていない景色があるはずだから。

 

「好奇心」は行動の原動力だ。どれだけ疲れていても、歩き始めたらそんな疲れは消えて知りたいことがどんどん溢れ出てくる。誰もが子供の時に使っていた「なんで?」という口癖は、大人になると「まぁいっか」に変わってしまい、続きを知ることをやめてしまう。無理矢理にでも使ってみよう。世の中には「なんで?」が溢れている。

 

 

※カンボジア・ラオスの旅 no.5に続く →→→ 

 

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*引用/参考資料

・D22 地球の歩き方 アンコール・ワットとカンボジア 2017~2018(ダイヤモンドビック社/2016年12月)

カンボジア - Wikipedia

カンボジアの歴史 - Wikipedia

アンコール・ワット - Wikipedia

Angkor Wat - Wikipedia

Angkor - UNESCO World Heritage Centre

アンコール・トム - Wikipedia

チャム族 - Wikipedia

タ・プローム - Wikipedia

トゥームレイダーの撮影場所 - タ プロームの口コミ - トリップアドバイザー

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