タイヤに支えられている自動車 / ゴムの種類 / 車輪の歴史・発展
photo: flickr - jamitalor
タクシーの話をしていた。
相変わらずに週に2,3回の深夜タクシー生活が続いている。そこでタクシーに揺られながら思ったことがあった。「僕は今、タクシーに乗って帰っているんだ。」ということだ。
???。こいつは何のことを言い始めたのか?と思われたと思う。僕もそう思う。具体的に言うと、「僕は今タクシーという物体に乗って家へ向かっている。鉄でできた塊の中に入り、エンジンという原動力を使って、運転手という方向やスピードを操る人がいる、そんな乗り物に乗って帰っている。」そして、鉄の物体が地面と接しているのは、人間の足のような存在を成している「タイヤ」だ。タクシーに限った話ではないけれど、乗り物は地面とタイヤが触れ合うことで前へと進んでいる。当たり前のことなんだけれど、それがすごく不思議だった。ゴムに乗って僕らは毎日行き来しているのだから。
photo: flickr - Marina & Enrique
タイヤはゴムからできている。種類は2種類、天然ゴムと合成ゴムだ。
「天然ゴム」は、"ゴムノキ"という植物から取った樹液を使用する。東南アジアに多く農園があり、タイやインドネシアが多いという。ゴムノキは高さ30mほどにもなり、約5年育つと樹液が取れるようになる。一方、「合成ゴム」は、石油を材料に作られる。作り方によって、様々な性質を持ったゴム素材ができあがる。
ゴムは、タイヤや電源コード、靴や椅子、自転車やホースなどなど、生活に欠かせないものになっている。
photo: frickr - arthistory390
最古の陸上輸送手段の始まりはソリだった。そして、ソリに初めて車輪を付けたのは、紀元前3,000年頃のチグリス・ユーフラテス河口域のシュメール人(現イラク人)だと言われている。その車輪は現在のものとは異なり、半円状の木の板をつなぎ合わせ、酒樽の蓋状にしたもので、外周を動物の皮で覆うという簡素なものだった。この形が約3,000年ほど使用されていた。
それが今から2,000年前、中央アジアからヨーロッパに移動してきた「ケルト人」という民族がいた。彼らは金属加工の文化に優れており、木製の車輪に鉄の輪を焼き嵌める手法を取り入れ、鉄のタイヤを完成させた。
photo: flickr - pablopanizo
鉄のタイヤにゴムが使われたのは1888年アイルランドでのこと。Jhon Boyd Dunlopの息子さんが自転車に乗っていたが、転んだりして安全性に欠いていた。そこで彼はより安全・快適なタイヤを作れないかと考えていた時に、ゴムホースを見て、「空気を入れたチューブをタイヤに入れてクッションにできないか」とひらめき、今のタイヤの原型が出来上がった。その乗り心地の良さが評判となり、空気入りタイヤは自動車などにも採用され、世界に広がっていった。
なかなかにタイヤにもいろんな歴史が詰まっている。
次回は、日本国内でタイヤが広がっていったお話。
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*引用/参考資料
・タイヤのひみつ | まんがひみつ文庫 | 学研キッズネット
・その歴史は三千年以上!急激な進化をたどったタイヤの歴史とは?
・謎多きシュメール人!メソポタミア文明の起源 - NAVER まとめ
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