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物事を考え、新しい「1」を創り出す

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乗り物の進化で失った物 / 時間と心の余裕の葛藤 / 新幹線の防災倉庫

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1分与えられたら何をするでしょうか?

では、1時間なら?

1日なら?

 

 

 

人類は歩き続けた

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 photo: flickr - T. Michael Keesey

人類の祖先はアフリカが始まりだと言われ、約200万年前は地球上でアフリカにしか人類はいなかったと言います。そこから現在の人類と同じ、"ホモ・サピエンス"が誕生し、人類はアフリカからオーストラリアへ、続いてアジア、ヨーロッパ、アメリカへと散らばっていきました。人類が世界に広がるまでには約6万年かかったといい、日数にすれば22,000,000日(2200万日)と膨大な時間を使いました。もちろん、移動手段は徒歩だと思われ、人類は新鮮な目で、ゆっくりと外の世界を見ていたと想像できます。(※1, 2)

 

空間をワープする現代人

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  photo: flickr - Robin Ching

一方、現代は、自動車・新幹線・飛行機と言った交通手段が発達し、時間を限りなく短縮できる生活を送ることができます。例えば、新幹線を使えば、東京ー大阪間(直線約400km)を2.5時間で行くことができ、飛行機で日本からブラジルへ行こうと思えば、30時間で行くことができます。しかし、目的の場所へ行くことは簡単になりましたが、出発地と目的地の間にある場所には一切の関心を示すことはなく、ある種"空間をワープ"しているような錯覚に陥ります。

 

時間の効率化か快適化か

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幅広い経営支援を行う"フロンティア・マネジメント(株)"代表取締役 松岡真宏さんは著書の中で、2種類の時間価値があることを述べています。(※3)

 1. 節約時間価値=サービスを使って時間が短縮でき、有意義な時間を生み出せる

 例)驚く程油が取れる食器用洗剤、まとめニュースアプリ、コンビニ、など

 2. 創造時間価値=サービスを使って、有意義な時間が生み出せる

 例)飛行機のビジネスクラス、カフェでのコーヒーと落ち着いた空間、など

人はどちらかの価値、または両方の価値の効果を高めようと生活をし、常に時間から逃れられない生活を続けています。

 

時間に拘束されている子供達

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今、Amazonで「時間」と検索すれば上位に上がり、シリーズ累計30万部を超える大人気本があります。それが、旺文社が発行している小学生のための「学校では教えてくれない大切なこと」というオールカラー本です(※4)。その第8巻のテーマが「時間の使い方」です。内容は、

小学3年生の主人公"常盤管太くん"は、いつもダラけてばかり。マンガにゲームにテレビが大好きで、宿題をしないからいつもお母さんに怒られています。そんな管太くんの時間管理を正そうと、家族や友達が色々なことを教えてくれます。そして、管太くんは、1日の時間を見直すことや、スケジュールの組み方、夏休みの計画の立て方などを学んでいきました。すると...

書かれていることは子供だけでなく大人も意識しておかないといけないことばかりです。しかし、逆に言えば、こうやって時間についての本が人気になってしまうほど、小さな時から時間に縛られた生活をしている子供達ばかりだとも言えます。 

 

たまにはゆっくり外でも見ながら 

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 photo: flickr - Eunice

交通史・文化研究家の所澤秀樹さんは著書の中でこう語っています。(※5)

企業戦士らは、東海道新幹線を忙しくいったり来たりさせられるわけであるけれど、たまにはその東海道新幹線に乗らずに、在来の東海道本線を使ってのんきに帰ってみるというのも、また一興ではないか。

同じ景色を見るにしても、時速270キロと時速100キロ前後とでは、印象がだいぶ違ってくる。

線路端に咲く菜の花に春の訪れを感じたり、黄味を帯びた稲穂に夏の終わりを感じたり、朱色の玉を枝もたわわに実らせた柿の木に秋の深まりを感じてみたりするのは、やはり在来線ぐらいのスピードが程よい。

まさに贅沢な時間的寄り道といえる帰路コースのひとつといえよう。

 

道中を楽しめているだろうか?

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先日、日帰り出張で名古屋から東京へ帰ろうと新幹線に乗りました。すると思っていた以上に疲れていたのか一眠りし、起きたらすでに東京駅が間近な場所まで来ていました。僕は後悔しました、「時間を無駄にしてしまった」と。そして、不思議な気持ちにもなりました、「なんだか空間をワープしたみたいだな」と。

"時は金なり"とはよく言いますが、目的もなく自分を縛り付けているだけの時間の使い方はよくないと思っています。時間に食われるのではなく、時間と共存して生活をしていくべきですし、「そんなに急がなくてもいいんだよ」と自分で自分の背中をさすってあげる必要があるとも思っています。

例えば、新幹線の窓からいつもより多く景色を見てみるとか、いつもの急行電車を各停で行ってみるとか。ちょっと奮発してグリーン車に乗ってみるとか、自転車の帰り道を歩いて帰ってみるとか。そういう小さなことからでいいと思います。その一つ一つの余裕が、自分の中にスペースを作ってくれて、ゆとりや豊かさとなって、今という時間を楽しめるのではないでしょうか?

 

 

 

奇怪な物を見に行こう:公園に新幹線??

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 埼玉県ふじみ野市にある「福岡中央公園」には、"新幹線型の防災倉庫"があります。

形は200系型。設置は平成元年。昔はトイレとして使われていましたが、新しいトイレができたこともあり、改修されて今は倉庫になったようです。

なんでも公園トイレに愛着を持って綺麗に使ってほしいという願いを込めて、この形になったんだとか。本当はJR東海の許可を取って青色新幹線にしたかったみたいですが、許可を取る時間がなくて、結局JR東日本の緑新幹線(200系)が採用されたんだとか。想像以上に大きな新幹線倉庫。色々歴史があってグッときました。

200系は東北・上越新幹線用に作られました。地域的な影響で、雪害対策は必須。その分の対策に重量が食われてしまうため、今まで鋼製車体だったものをアルミ合金に変更したとのことです。

また、新幹線のトイレで言えば、より一層進化を重ねています。新幹線トイレの始まりは、汚物を貯留する「タンク貯留式」という仕組みでした。しかし、需要が増し効率化を図るために、「循環式汚物処理装置」を導入しました。汚物に消毒・消臭用の薬剤を混ぜて、トイレ洗浄水として再利用するというシステムです。その後、少量の水の使用で済む「清水空圧式」になったとのことです(※6)。ご飯中の方、ごめんなさい。

身近な所に色々な技術と工夫がされているんですね。

 

*以下「新幹線倉庫」紹介 

東武東上線・上福岡駅東口を出て直進し、福岡中央公園手前の交差点へ

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 福岡中央公園入り口

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入り口を入り、右手側を進むと、おやっ?奥の方に・・・

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さらに近づくと、「あったー!!」

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横からも見てみましょう。以外と長い

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では、正面から。人と比べても大きさがわかります。目の前の時計もなかなか通ですね

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新幹線が向く先は何もない直線道。線路は続くよどこまでも

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すぐ隣の道は道路です。なんとも奇怪な景色

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お腹が空いたから目の前のラーメン屋さんへ。

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昔ながらのラーメン屋という厨房とカウンター

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とにかく"普通"のラーメンが食べたかったらぜひ。

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食べ終わった帰りは、街中の給水タンクを見ながら帰ってもいいでしょう。

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*参考資料

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1. 生命ふしぎ図鑑 人類の誕生と大移動 - 2200万日で世界をめぐる - 著:イアン・タタール / ロバート・デーサル / パトリシア・J・ウィン 訳:篠田謙一 / 河野礼子 (西村書店 / 2015年6月)

2. 人類大移動 アフリカからイースター島へ - 印東道子 (朝日新聞出版 / 2012年2月)

3. 時間資本主義の到来 - 松岡真宏 (草思社 / 2014年11月)

4. 学校では教えてくれない大切なこと 8 「時間の使い方」- 入江久絵 (旺文社 / 2016年4月)

5. 鉄道旅行 週末だけでこんなに行ける! - 所澤秀樹 (光文社新書 / 2013年7月)

6. ニッポンの新幹線 - 笠倉伸夫 (笠倉出版社 / 2014年11月)

 

*こちらも合わせてどうぞ

 

 

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