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溶けゆくドロドロ脳 / 最高の治療薬 / 今持つ2本の手で

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右手を見てみてほしい。

左手を見てみてほしい。

いつぶりだろう。

こんなにまじまじと自分の手を見るのは?

 

 

 

動かさない手を使う

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 photo: flickr - Tohru NISHIMURA

ITが普及して、多くの人が毎日パソコンの前に座り、外出先でも常にスマートフォンの画面を見続けている人ばかりの世の中になりました。電車に乗って周りを見渡せば、7人掛け席の7人がスマフォを見ているなんてこともよく見られ、その画面上でやっていることと言えば、"調べ物"、"予約"、"連絡"といったこと。人はどんどん同じ画面・同じボタン・同じ感触で完結する日常を過ごすようになっています。

 

箸が使えない子供達がいる

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 photo: flickr - Kenji & Brandie Arai

NPO法人「子どもの生活科学研究会」は長年子ども達の実態調査を行ってきました。その中で、"箸を正しく持てない"、"卵が割れない"、"服のボタンを止められない"など、手を正しく使えない子供達が増えていると言います(参考1)

"子どもは親を見て育つ"というように、子どもができていないことは親御さんができていないことを意味し、ITによって簡略化された現代では、どんどん不器用な人ばかりが育つ環境になることが考えられます。

また、文部科学省が小・中学生に対して行った「全国学力・学習状況調査報告書(平成27年)」によれば、「平日にどれぐらいテレビ・DVDを見るか?」という調査に対して、2時間以上が約60%、ゲームに関しては、2時間以上が30%という結果が出ました。また、「1日1時間以上、携帯やスマートフォンでメールやインターネットをするか?」という質問には、小学生は16.9%と低い値でしたが、中学生は約47.2%と約半数に達することがわかりました(参考2)

これらを足し合わせ、ご飯やお風呂の時間を除けば、半数の子が学校から帰宅したらほとんどをテレビかゲーム、携帯やスマフォに費やしており、子供達は同じ画面・同じボタン、同じ感触を繰り返していることが懸念されます。

 

手の驚くべき機能

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 photo: flickr - Wilfredo Rodriguez

「第2の脳」と言われる"手"は、"運動器官""感覚器官"の役割を絶妙に使い分けています。

運動器官は、何かをつかんだり、握ったり、投げたりすること。ボールをつかんだり、恋人の手を握ったりとかですね。

感覚器官は、自分の外の環境に直接触れて、外の環境の情報を集めていること。温かいコーヒーカップを持って温かいと感じるとか、ざらざらした壁を触ってざらざらしているとわかったりとかですね。

手を動かすことは、「筋肉を動かせ!」「触れた物の感覚を伝えろ!」という情報を脳に伝え、脳を活発に働かせます。脳研究の第一人者である京都大学名誉教授"久保田競"さんは著書(参考3)の中でこう語ります。

創造とは、ある目的達成のため、または問題解決のために、新しい考えやものを生み出すことである。手は創造のための重要な器官である。手を使うことで神経を働かせることになり、創造過程が促進されるのである。手を使って持続力が出せること、細かく器用に働かせることは運動学習であるが、それにとどまることなく創造的に手を使うことが大切である。

詳しいメカニズムなどに興味がある方は、(参考3 P.27〜, 参考4)を読んでみて下さい。

 

創造する環境を増やしていこう 

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僕の甥っ子と実家で遊んでいた時、レゴで遊ぶ機会があり、お互いに別々のモノを作って見せ合っていました。ここで明らかに違いがありました。

僕が作ったモノは、"世の中に存在する形あるもの"。

彼が作ったモノは、"今まで見たことのない形ないもの"。

その時気付かされました...「形に縛られていたな」って。そこには確かに創造力の差が歴然とありました。散々手を動かしたので、終わった後は脳が疲れたような感覚でした。

これから先、子供も大人も手を動かす環境が減っていき、創造する場が減っていきます。でも、便利に頼りすぎなければ、まだまだ色々なモノを創造できます。それは、料理かもしれないし、文字を書くことかもしれない。スポーツをすることかもしれないし、楽器を弾くことかもしれない。一歩先行く自分にするためには、パソコンやスマートフォンで完結するんじゃなくて、普段から自分の手を使って感じることが大切になってきます。そして、人生に自分が思う"遊び"を増やしていってほしい。きっとそこで育まれた創造性は、次の新しいモノを生み出せると思っています。 

 

*参考資料 

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1. 不器用っ子が増えている -手と指は[第2の脳]- 谷田貝公昭 (一藝社 / 2016年2月)

 

2. 平成27年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research

3. 手と脳 - 久保田競(紀伊国屋書店 / 2012年12月)

 

 4. 驚きの皮膚 - 傳田光洋(講談社 / 2015年7月)

 

 

*補足

冒頭の写真は、葛飾区にあるキャプテン翼の登場人物「ゴールキーパー若林源三くん」の銅像です。他にも、翼くんや日向くん、ロベルト本郷なんかもいます。

*こちらも合わせてどうぞ 

 

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