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物事を考え、新しい「1」を創り出す

haruka nakamura / 育った場所の空気 / 作品への影響

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"akira kosemura + haruka nakamura - Afterglow"

生まれた場所。自分が始まった場所。自分が育った場所。

その場所の影響は、今いったいどれくらい影響しているのでしょうか?人間が出来上がっていく中で、家族や友達、恋人などの"人からの影響"や、本や音楽などの"物からの影響"は確実に受けているはずです。しかし、それらを取り巻いているのは場所であり、その場に流れる空気なんだと感じています。

自分が育った場所の雰囲気を振り返ってみる

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東京湾沿いの夕暮れ写真 撮影:kazuma hattori

僕が育ったのは千葉県の習志野市東京湾に面した人口17万人(平成28年現在)ほどの大きくも小さくもない町です。東京湾側は、基本的に埋立地。ライブなどが行われる幕張エリアも近いため、道が広々としています。東京湾を沿うように東京湾岸道路357号線が通り、県道15号線も一本道なので、道が続いていく感覚もあります。

個人的には人と話すことが好きな方ですが、逃げ出したくなる時や何かを忘れたくなる時もあるもので、そうした時に訪れる場所が「東京湾の海」です。

沖縄や海外のリゾート地の海とは違い、暗黒の水。東京湾周囲を工場が並んでいることから、工場排水により透き通る感じは一切ありません。けれど、夕方になれば富士山を横目に太陽が沈んでいく美しい時間があります。この東京湾こそが、僕が思い出す「海」なんです。

青森出身のアーティスト haruka nakamura

情緒的で、穏やかで悲しげな風景が見える音楽を奏でる"haruka nakamura"というアーティストがいます。彼は青森県出身で、西日が見える家で育ちました。そして、彼はインビューの中でその感覚を以下のように話しています。

陽が暮れていくのがとてもきれいで、その風景に似合うような曲を家のピアノで弾いてみたのが音楽制作の原点だと思ってて。

美しいんだけど悲しい何とも言えない1日の終わりの感覚。

また、作品を作る中で気がついたという、"陽が昇り沈むこと"についても語っています。

人の死や別れを経験する中で、陽が昇って沈んでいくというのは、人が生まれて死んでいくサイクルと同じで、つまり夕陽が沈んでいく風景を音にするっていうのは、人生の終わりの情景を音にするってことなんだなって。

今、自分が発信している物は場所の影響を受けている

haruka nakamuraが作る作品は、この育った夕陽のように、優しく、けれど寂しい雰囲気が漂います。その雰囲気は上っ面な物ではなく、自分の頭の中で、育った景色があるから反映されている音なんだと感じました。

僕も夕陽を見て育ちましたが、そこは僕にとって、リセットできる場所です。そして、その情景が、今の僕の文章や話し方、考え方に反映されているのではないかと考えています。

人が育つ環境は、それぞれ違います。同じ環境は一切ありません。その中で、自分個人が発信する物の原点には、その生まれ育った環境があるのではないでしょうか。

 

*haruka nakamura ホームページ

http://www.harukanakamura.com/news.html

*CINRA.NET インタビュー

*雨と休日:「穏やかな音楽を集める」をコンセプトとしたCDショップ